けいおにうす

よろづ記録用

【推理】アザゼル~緋の罪業~はどんな中身になるのか

発売まで丁度二週間に迫る11月20日、欧州妖異譚最終巻となる『アザゼル~緋の罪業~』がどんな締めくくられ方をするのか考察していきたいと思う。

 

……なーんて大層な感じに話しはじめましたが、終わることを恐れているいちファンとしては冷静に考えてはいられませんね!

特に書泉のSSのタイトルが「主のいない部屋」ですからね。ほんとやめて。

 

文庫とAmazonの特典は「グラース」なので舞台はフランス・グラースなんだろうなって予想は立ててます。南仏にある香水の街……でいいのかな?

表紙もシモンなのでまあシモンとユウリでなんかあるんでしょう。

 

『主のいない部屋』……グラースで起きた事件で主を失った部屋で、そこにとりついていた精霊が喋るとか、ユウリが主の霊と話すとかなら全然いいんですけど。

 

本編内の最後にユウリが月に還り、また失った世界で居ないユウリを案じて……みたいな話になったらと思うと本当に心臓が痛い……なんせハムステッドにはアンリがいるんでね。ユウリがいなくなった後もフォーダム伯爵の好意で卒業までいさせてもらえることになったけど、何度覗いてもユウリがいなくて……みたいなのだったら泣く(お前もうそれで話書けよ……)

 

てな感じで本編の舞台は大体の方が想像する通りぼやぼや~っと考えております。

あとは24巻のあとがきにあった「1巻と15巻を復習しておいて」(この辺すごいうろ覚えで喋ってます、違ってたらごめん)を信じてとりあえず欧州1巻を読み始めました。

 

1巻のタイトルって「アザゼルの刻印」だったんですね。そういえば。

英国は全部言えるんだけど、欧州はタイトルも巻数も怪しくて、全然言えないんですよ。そんな欧州も10年って聞いて震えあがったのはまた別の話。

 

 

 

1巻の内容はミリアムの描いた梯子を助けにユウリが月から還ってくる、アザゼルの呪いがミリアムにかかる……でいいのかな。何度か読んでるはずなのに要領得なくてすまん……あとでちゃんと訂正しときます。

 

タイトルにあるから『アザゼル』がまた関係するんだろう事は確実なんだけど、そもそも『罪業』って何ってことでブリタニカ~~~~~~~

 仏教用語身体言葉 () の3つ (→三業 ) によってつくられて,未来の苦しみを受ける原因となるような悪い行為とは行為のことである。

 

 また3……3って数字で思いつかなきゃならないのは多分予習しておくべきと上げられた「万華鏡位相」なんでしょう。(私この3と15と50の謎全然解けなかったんですけど、きっと私の回りの皆さんは頭が良いので解けたんでしょうね……ほんと『読んでるだけ』だな私)

 

思えば「ユウリ・シモン・アシュレイ」で3だし、これも「月・太陽・地球」に置き換えることが出来るって言ってたし、そして何より1巻で出てきてその先何度かお目見えする『グナ』ですよ。赤白黒の紐で出来た真珠の散りばめられた腕輪。

今回これをメインにちょっと調べたので考察ついでに置いて行こうと思います。

 

近くに図書館が無い・図書館の蔵書があまり宜しくない地域にいる私にとって、調べ物はもっぱらネットに頼るしかありません。

ネットは間違った知識もあるし検索エンジンとの兼ね合いもあるので参考程度に見て行って下さい。いい文献を見つけた人は教えて下さい、どうにか取り寄せをお願いしたりしてみます。

 

まず『グナ』で辿り着いたのはインド哲学でした。

 インド哲学では、逃れられないこのような物質自然の法則を「グナ」(紐という意味)と表現する。業という意味では「カルマ」という言葉が有名だが、今現実に現れているもの(病気など)を「プラブタ=カルマ」と呼び、将来現れるものを「アプラブダ=カルマ」と呼んだりする。罪という意味では「クータ」である。

インド哲学を学ぶ : 幻影旅譚

 

グナがなんなのかそもそも分かってなかったのでここで『紐』って名称が出て来た時に「なるほどね!」と思ってしまいました。その他グナの中身を表現する際に『糸を拠り合わせて紐にするように』という表現もあったりして興味深かったです。

 

そして逃れられない物質自然の法則、これは月の女神からも言われていましたが『知るべき知恵、運命ともいうべき知恵が腕輪にはある』……言い換えれば逃れられない運命がユウリにはあり、腕輪がそれを常に知らしめるという事の解釈で宜しいのでしょうかね。

 

この腕輪に関しては『アザゼルの刻印』P167-168の「知るべき知恵は簡単には得られない」というユウリの台詞に対し、アシュレイが「言い換えるとお前が抱えた秘密は時間をかけてゆっくりと暴けって事だな」と応えるシーンがあり、三月ウサギやらなんやらで『腕輪は発信機の役割をしている・腕輪をしている人(=月の王)を守る』とかがだいぶ明るみになってきている気がするのでアシュレイが知るべき知恵を得るのが最終巻なのではなかろうかと。

(でもそうすると暴かれてしまったからにはユウリを地上には置いておけないとお迎えが来てしまう気がするんだけど、ほんとに、心臓に悪いから、止めてくれ)

 

ついでにロンドンのセント・パンクラス駅からパリ北駅(ガール・デュ・ノール)までってどのぐらいなのかなって調べたら2時間半ありました。2時間半アシュレイと2人……????

ユウリは飛行機でもエコノミークラスだしすぐに「電車で帰る」って言うからいいんですよ。アシュレイが電車で2時間半??????

ちょっと脳みそがプチ混乱を起こしました。

 

脱線しまくりですね。

戻すとインド哲学です。グナはインド哲学に見られる言葉。

じゃあインド哲学って何か、最初に見たのがこちらだったのでこちらのサイトの物質要素を使ってお話させて頂きます。

物質要素(プラクルティ)~バガヴァドギーター(7-4) | ヴェーダプラカーシャ・トウドウ (Vedaprakasha Todo) 公式ブログ

 

純粋な精神(真我)であるプルシャ(精神原理)に対して、
人の精神(チッタ)や肉体は、プラクルティ(物質原理、要素)と呼ばれます。

純粋な精神(真我)である ⇔ 人の精神(チッタ)肉体(シャリーラ)

 プルシャ(精神原理)       ラクルティ(物質原理)

 

精神(チッタ)は、心(マナス)、知性(ブッディ)、
そして自我意識(アハンカーラ)から成ります。

精神(チッタ)= 心(マナス)・知性(ブッディ)・自我意識(アハンカーラ)

 

肉体(シャリーラ)は、行為器官、知覚器官、
肉体組織(ダートゥ)などから成ります。

 肉体(シャリーラ) = 行為器官・知覚器官・肉体組織(ダートゥ)

 

 肉体組織は、ヴァータ、ピッタ、カパから成ります。
またそれらは、五大元素(土、水、火、風、虚空)から成ります。

 肉体組織(ダートゥ) = ヴァータピッタカパ

  ヴァータ:風、虚空[または『空』]

       風気質。動かすエネルギー。へそ下から肛門上までの部分。

  ピッタ:火、(水)

      火気質。変換エネルギー。胸下からへそ上までの部分。

  カパ:水、土[または地]

     水気質。組立エネルギー。胸から上。

 

 精神も五大元素もまた、サットヴァ、ラジャス、タマス、
という三つのグナ(根本的なエネルギー)から成ります。

 サットヴァ:知識・幸福

      愛、献身、喜び、清浄、公正、上品、知性など

ラジャス:行動

     欲望、痛み、横柄、話好き、自尊心、怒り、競争心など

タマス:慣性

    混乱、無知、不安、眠り、怠惰など

 

またヴァータラジャスピッタサットヴァラジャスカパタマスの性質を持つ。この辺に関しては下記のサイトを参考にしています。

www.timeless-edition.com

 

妖異譚ファンなら五大元素の所でそわっとできるんじゃないでしょうか。

あれです。ユウリがいつも呼んでる四大元素

火の妖精(サラマンドラ)、

水の妖精(ウィンディーネ)、

風の妖精(シルフィード)、

土の妖精(コボルト)。

インド哲学の言葉を借りるなら空気は自らの事、つまりユウリを入れると五大要素が成り立つんですよね。

 

もし仮に月の女神マヤがくれたグナの三色の紐がサットヴァ(知識・幸福)、ラジャス(行動)、タマス(慣性)を表しているなら、私はこの三つがすさまじく人間らしい欲望だなと思うので、人間の身でありながら月の王になったユウリ自身の事を示しているような気がします。

 

そして『=五大要素』なので四大元素を操れる者。

 

散りばめられた真珠の数って三つだった気がするんだけど、これはどこで見たんだったかな……。仮に三つだった場合、真珠がそれぞれ『月・太陽・地球』を示しており、真珠がユウリを示すものであること(『背信の罪深きアリア』参照)。

 

……となるとやっぱりグナは月の王(=ユウリ・フォーダム)に嵌められるべくして嵌められた物であり、これが『運命ともいえるべき知恵』なのかはわからないけれど解き明かされた時……………やっぱりこれ還っちゃわない?????

聞く感じ何となくかぐや姫だよねこれ????

「私は月に還らなければなりません」ですよ、っか~~~~~~待ってくれ無理だ。

 

発売まであと二週間。

本当に気が気じゃありません。

皆さん、生きて会いましょう。

(そしてやっぱり巻ごとに纏めを作ろうと決意する冬)

踊ってみた(過去)

 自分がしてきたことを纏めておきたいなと思ってあちこち引っ張って来てます。

流石にコス写は持って来ないけど。

とりあえずまずは踊みた。体育ですらダンスほぼやってないので毎度ヒイヒイ言ってます……でも動いてるの見ると『可愛いなぁ~三次元に居るなぁ~~~』ってなるので楽しい。

 

初踊みた!

ノノハやらせて貰いました。 

 

伊之助。

やたら評判が良くて嬉しい^^

 

炭治郎。

この撮影は放送後ですが、炭治郎のコス自体はアニメ化する前にしてたのでウィッグは単行本カラーです。アニメと比べると確かに赤い。

友達の娘(1歳)に服を作った話

突然ですが私の趣味はコスプレです。

高校2年生の時に友人に誘われ同人イベントでレイヤーさんを見て、ワイワイ4人ぐらいで「やろうぜ!」ってなったのがきっかけなんですが、そのうち続けてるのは私ぐらいで、一体何が起きたんでしょうかね。

 

……とこんな導入で始まりますが、今日は「友達の娘ちゃん(1歳)に洋服を作った」ってお話をします。

 

年数だけで言えば10年オーバーの古株BBAな私は、ハマる作品がマイナーなこともあり、自作レイヤーとなることを余儀なくされてきました。

元々のレベルは中学までの家庭科程度。家のミシンもしばらく壊れていたので最初の1,2年の衣装は手縫い。

その時は縫い代も分からず、手縫いだから耐久性もなく、よくズボンの尻が破けてましたね……きっとケツがデカいだけではない(はず)。

 

そんな私も気付けばアラサー手前。

かつてレイヤーで知り会った友達は結婚し、子供が生まれていました。

そしてコロナ渦で迎える一歳の誕生日。

 

……まあ、狙ったわけではないんですが、自作レイヤーの家には半端な布が大量にありまくり、自分の服を作るには足りない、シュシュなどの小物を作るには色が地味だったり多すぎる、と言う所で小さい子供服なら作れんじゃねえかな?!って思って、作ったらちびちゃんの誕生日近辺だったって話です。

習作でも貰ってくれると言うので作ったものは友達に喜んで献上させて頂きました。

 

それがこれ↓

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とこれ↓

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汚い床の状態も写っててスマンな。

80サイズのチェックズボンと、無地のオーバーオールです。

 

型紙は新垣美穂さんの「小さな子どもの手づくり服」という本を使用させて頂きました。 

小さな子どもの手づくり服

小さな子どもの手づくり服

  • 作者:新垣 美穂
  • 発売日: 2018/04/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 まずこの表紙の女の子が可愛すぎん……????

このセーラー服を作りたいがために買ったんですけど、まだセーラー服は作ってません。いかんせんレイヤーの布、ツイル以外だとサテンと合皮とラメとかの特殊布ばっかりで、リネンとかそんな洒落たもの手元にないんすよ。

コーデュロイのワンピースも可愛かったのでコーデュロイも欲しい。

 

……余り布とは?????

 

こうね、やっぱり作りたいものによって欲しい布が違うのでね。

仕方ない仕方ない(゜ω゜)

 

衣装も作らなきゃとは思うんですが、ちびちゃんの服も定期的に作ろうかなって思ってます。端処理の仕方とかボタンホールとか、普段自分のコス衣装では使わない裁縫技術が沢山あるので勉強にもなる。

いやほんとに。

 

コス衣装なら洗濯出来なくても最悪仕方ない!安ピン!グルーガン!とりあえず形に見えろ!!!!って感じで作ることがデフォルトなので(それでも最近は縫い目が外に出ないように裏地をつけたり、ミシンかけられるだけかけていくようにはなりましたが)。

でも違うじゃないですか。子供服(しかも特に人に着せるもの)に関しては耐久性があってちゃんとしてなくちゃ……!ってなるのでほんとに気を使うと言うか「確かに売ってるズボンこういう作りしてる!」って発見しながら作ってました。すげえ。

 

服が作れるようになると思うことは「こんなにめちゃくちゃ手間と時間がかかるのに、あんなに安く買えんだな……」ってところです。

みんな、売ってる安い服は機械で作られているかもしれないが、試作したり機能性を追究したり、人手は沢山かかっているので安さを追求するだけじゃなく、たまには作り手に感謝の気持ちを持ってあげて欲しいな。

安く買える事は当然じゃないからね。

 

毎回の事ですが話逸れるな????

とりあえず今回はそんな感じで。

また今度服を作ったら上げていきます!

元々ドレスみたいなワンピースを作りたくているんだよ!作ろうね私!!!

名刀関兼定

暇にかこつけて…って訳じゃないですが、観劇から一週間、まだまだ余韻を引き摺っているので国会図書館デジタルコレクション」より漁ってきたものを記しておこうと思います。

 

(なるべく元の旧字、旧仮名に寄せますが、パソコンの変換で出ないものは諦めてます。ご了承下さい。一応以下も利用しつつ作成しています)

www.benricho.org

 

 

 

 

「日本名宝物語 第2輯」(P.90~92)

名刀關兼定 ◇……細川護立侯爵家所藏

dl.ndl.go.jp

 

     ○

「ふむ、こいつは善く斬れる!」

 これは首切り淺右衞門(あさゑもん)としてその名を天下に謳はれた山田淺右衞門吉睦が兼定の名刀を試したときの嘆聲(たんせい)、業物は三齋細川忠興の愛刀である、和泉守兼定は濃州關の住人で永正年中に活躍した關鍛冶を代表する名工、この一振りは勢州山田に移つた後に鍛へた名作だけあり、淺右衞門は試し斬りに據(よ)つて「これぞ無類極上の大業物なり」と、その著作に書き殘(のこ)してゐる。

 この一振りで三十六人、細川忠興が人を斬つた所から、古來刀劍界に「歌仙斬り」と銘打たれた業物とて、熊本五十四万石の舊(きゅう)城主細川護立侯爵家では、藩祖の身替りの如く奉り、一點(てん)の曇さへも恐れると云ふ重寶(てうほう)である。

     ○

 世に「忠興の妻」は、餘(あま)りにも有名な一節であるが、この賢婦光秀の女玉の方と婚約の出來(き)たは天正三年、同五年に勇んで信長が雜賀(ざふが)の一揆退治に初陣、翌六年八月、十六歳で結婚したものである。

 この夫妻、ともに信長に愛せられ、忠興は側近に侍つてゐたものだが、或る日、ふと信長の小刀を見れば、その束に九耀の置物があり、それが妙に忠興の氣(き)に入り、信長には無斷(だん)で紋所とし帷子(かたびら)につけたものである。

「どこから取つた?」信長は怪しんだ。

「柄の置物が耐(たま)らなく目についたので――」

「可愛い奴だ、では定紋とするが宜(よ)い」

 といふ譯(わけ)で信長も笑つたほど、小さな話ではあるが、忠興の勇猛な氣性の蔭(かげ)に早くも風流な面影が既に現れて面白い。

     ○

  元來忠興は豪勇猛氣の武將(ぶしょう)で、天正十年八月、丹後弓木の城主一色義有(ぎゆう)(妹婿)を宮津城内に招きその領土を奪はんとした義有の野心を憎み、酒宴の最中に起(た)つて拔(ぬ)き打ちに、義有の首を空に飛ばしたほどである。

「忠興には早くから歌の稽古をさせたかつた、少しは氣も穩(やわら)ぐであつたらうに」とばかり、常に父は苦勞したと云ふ。所が、忠興はよく父の心を知つてゐたらしいけれども、決して腰折れを一つ作らうともしなかつたものである。

「歌道にかけては豚兒(とんじ)の我が、一首でも詠めば父の名を汚すものだ」とは、忠興が晚年の辨明(べんめい)、ゆかしい心である。

     ○

 慶長四年二月、石田三成は大阪表(おもて)で家康を斃(たふ)さんと圖(はか)り、前田利家と通謀(つうぼう)して忠興に持ちかけたところ、忠興が絕對反對(ぜったいはんたい)で立ち消えとなつた。三成はなほ計畫(けいかく)を捨てずまた自宅に招いて賴むのである。

「今宵、内府に夜襲をかける、加勢して貰ひたい」
「宜(よ)からう、だが、その後は何とする」
 忠興は、咄嗟の思ひつきで難論を吹きかけ、時を費す策に出た、三成は不用意に乘(じょう)ぜられて機を失し、翌日、忠興は家康に告げて虎口(ここう)を脫(だつ)せしめたのである。

 ――忠興の聲望地力(せいぼうじりき)には、三成も及ばなかつたが、才人(さいじん)才に倒れ三成は遂に「忠興の妻」を玉造(たまつくり)の館に襲ひ、忠興が上杉征伐に趣(おもむ)いた不在中、これを人質とせんと圖(はか)つたので、節を守つて賢婦は遂に自殺するに至つたのである。

     ○

 元和六年剃髮して三齋宗立(そうりつ)となつて以來、日頃の武勇は一切忘れ、隱遁(いんとん)風雅な生活に入つたけれど、その愛刀に殘る三齋好みの拵付(こしらへつけ)は「歌仙拵」として後世に頗る珍重され、名刀の譽(ほま)れは更に高く、身長二尺餘(よ)の鎬(しのぎ)造り、頭は四分平山道(ひらやまみち)、緣(ふち)は革着せ靑漆塗(せいしつと)、金鉈豆の目貫に黑塗鮫茶革卷の柄、鍔は鐵(てつ)丸型左右影蝶透し、茶糸の下げ緖きりつと結び、腰元刻み鮫着せ墨塗硏(とぎ)出し鞘――一度拂(はら)へば風を切り、霜を呼び、淺右衞門極め付の大業物は天下一品、忠興が朝鮮、關ケ原、茶臼山などに揮(ふる)つた武勇を語り、名工の誇そのまゝ、細川家鎭護(ちんご)の神刀である。

 

(意訳)

「ふむ、こいつはよく斬れる!」

 これは首切り浅右衛門としてその名を天下に謳われた山田浅右衛門(江戸時代に御様御用(おためしごよう)[刀剣の試し斬り役]を務めていた山田家の当主が代々名乗った名称。死刑執行人も兼ね、首切り浅右衛門のほか人斬り浅右衛門とも呼ばれた)吉睦(5代目。1767-1823。3代目吉継の娘の嫁ぎ先である湯長谷藩士・三輪源八の子。後に“”右衛門と名乗ったため、以降の当主は朝右衛門となる)がこの名刀を試したときの嘆声(嘆いたり感心した時に漏らす溜息)だ。この業物(名工の作った、切れ味の優れた刀。名刀)は三齋細川忠興の愛刀である。

 その刀を打った和泉守兼定は濃州関(美濃国。現在の岐阜県関市)の住人で永正(1504-1521)年中に活躍した関鍛冶を代表する名工である。

 この一振りは勢州山田(伊勢国。現在の三重県伊勢市)に移ったのちに鍛えられた名作だけあって、浅右衛門は試し斬りの切れ味のよさから「これぞ他に比べられるもののない大業物だ!」と、その著作(『懐宝剣尺』)に書き残している。

 細川忠興がこの一振りで三十六人斬った所から、刀剣界おいて「歌仙斬り」と銘打たれた業物として名が知られており、熊本五十四万石(400万程度?)の旧城主・細川護立(細川家第16代当主。1883-1970。芸術に造詣が深く、1950年には細川家伝来の美術品や古文書を保存する目的で「永青文庫」を設立した)侯爵家では、藩祖(江戸時代の日本に存在した各藩の開祖、又は初代藩主とされる人物)の身替りの如く奉り、刀に一点の曇りがつく事すら恐れると言うほどに重宝(貴重なものとして大事にすること)している。

     ○

 「忠興の妻(細川ガラシャ(玉、又は玉子))」と言えば世の中のみんなが知っているほどあまりにも有名なフレーズだが、この賢婦(賢い女のこと)光秀の女(娘の意。憶測から検索をかけこちらを採用しています)である玉と婚約できたのは天正3年(1575)のこと。忠興は同5年(1577)に信長の雑賀一揆退治(2月~3月頃。現在の和歌山市を中心とする紀ノ川河口域あたりで起こった一揆)に初陣、翌6年(1578)8月、16歳で結婚した。

 この夫妻は共に信長に愛され、忠興は側近として侍っていた(信長に、というより信長の嫡男・織田信忠か?)が、ある日、ふと信長の小刀の柄(小柄。日本刀に付属する)に九耀の置物(装飾部分のこと?)があり、それが妙に忠興を惹き付けたため、信長には無断で紋所(その家の定まった紋章。家の定紋)として帷子に使用した。

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九耀紋

 怪しんだ信長は「どこから取った?」と問いかける。

「柄の置物にたまらなく惹かれ、目についてしまって――」

「可愛い奴だ、ならば定紋として使うといい」

 そう言って信長も笑ったほど、小さい話ではあるが忠興の勇猛(勇ましくて非常に強いこと)な気性の影に早くも風流な面影が現れていて面白い。

     ○

 もともと忠興は豪勇猛気(四字熟語として発見できず。勇ましくて荒く猛々しい気質)な武将で、天正10年(1562)8月、丹後(現在の京都府与謝野町岩滝)弓木城の城主・一色義有(別名・一色義定(よしさだ)。忠興の妹・伊也の婿)宮津(現在の京都府宮津市鶴賀にあった城)内に招き、宮津城のある領土を奪おうとした義有の野心を憎み、酒宴の最中に義有の首を宙に飛ばした程である。

「忠興には早くから歌の稽古をさせたかった。そうすれば少しは気性も和らいだろうに」とばかりに父(細川藤孝(幽斎))は苦労したという。ところが忠興はそんな父の思いを知っていたらしいが、決して腰折れ(ヘタな詩歌や文章。自分の詩歌や文章を謙遜して呼ぶ語)の一つも作ろうともしなかった。

「歌道において豚児(自分の子供の謙称。愚息)の私が、一首でも詠めば父の名を汚してしまうだろう」というのは忠興の晩年の弁明(事情などを説明してはっきりさせること)、奥ゆかしい心である。

     ○

 慶長4年(1599)2月、石田三成は大阪表で家康を倒そうと謀り、前田利家と通謀(二人以上の者がグルになり、示し合わせてことを企むこと。共謀)して、忠興にも同じように話を持ちかけたところ、忠興が断固反対するため、話は立ち消えとなった。三成はなお計画を諦めず、また自宅に招いて忠興に頼んだ。

「今夜、内府に夜襲をしかける。加勢してくれ」

「いいだろう。だが、夜襲を行った後はどうする」

 忠興は咄嗟の思い付きで難問をつきつけ、時を費やす策に出た。三成は何も用意していなかった、と乗せられて機会を逃し、翌日、忠興は家康に告げて虎口を脱する(非常に危険な状態から抜け出る。虎口を逃れる)ことに成功したのである。

 ――忠興の声望地力(四字熟語として発見できず。世間の良い評判と人望、持っている土地の生産力)には三成も及ばなかったが、才人才に倒れ(才能に優れた人は自分の才能を過信しすぎて、かえって失敗するものという故事ことわざ。才子才に溺れるとも)三成は遂に「忠興の妻」を玉造の館(現在の大阪府中央区)で襲撃(1600年7月16日)。忠興が上杉征伐に趣いた不在中、その「忠興の妻」を人質にしようと謀ったため、節(自身の持つ信念)を守って賢婦は遂に自殺するに至ったのである。

     ○

 元和6年(1620)に出家して剃髪、三齋宗立となってからはそれまでの武勇は一切忘れ、俗世を逃れて風雅な生活に入った。けれども、その愛刀に残る三齋好みの拵付(日本刀の外装。鞘、柄、鍔などを総称したもの)は「歌仙拵」として後世に頗る珍重(珍しいものとして大切にされること)された。名刀の誉れは更に高く、身長二尺余り(1尺9寸9分5厘≒60.5cm)鎬造り、頭は四分平山道、縁は革着せの青漆塗、金鉈豆の目貫に黒塗鮫茶革巻きの柄、鍔は鉄の丸型で左右に蝶透かしがあり、茶糸の下げ緒はきりっと結ばれ、腰元刻み鮫着せ墨塗研ぎ出し鞘――。

 一度はらえば風を切り、霜を呼び、浅右衛門は極めつけに「大業物として天下一品」と謳って、忠興が朝鮮、関ケ原茶臼山などでの武勇も語ったため、名工の誇りを保ったまま、細川家を鎮護(乱を沈めて外敵、災難から守ること)する神刀となっている。

 

 

参照

細川忠興 - Wikipedia

細川ガラシャ - Wikipedia

細川忠興と織田信長の関係は?家紋や甲冑についても解説! | 歴史をわかりやすく解説!ヒストリーランド

山田浅右衛門 - Wikipedia

伊勢国 - Wikipedia

和泉守兼定 - Wikipedia

山田奉行 - Wikipedia

「日本刀の位列・業物」

石高(こくだか)換算表 - 戦国未満

細川護立 - Wikipedia

紀州征伐 - Wikipedia

小柄 - Wikipedia

一色義定 - Wikipedia

大阪カテドラル 聖マリア大聖堂 | OSAKA-INFO

【刀剣ワールド】拵とは?|刀剣の基礎知識

歌仙兼定 | 武士道美術館

歌仙兼定 | 日本刀や刀剣の買取なら専門店つるぎの屋

 

永続的識別子 info:ndljp/pid/1177692

タイトル 日本名宝物語. 第2輯

著者 読売新聞社

出版者 誠文堂

出版年月日 昭和5

請求記号 597-37

書誌ID(国立国会図書館オンラインへのリンク)000000768800

DOI 10.11501/1177692

公開範囲 インターネット公開(保護期間満了)

 

 

(以下ひとりごと)

 

ウィキは参照に使えないってのは百も承知の上で成り立ってる、限界社会人の 一考察文なので適当に流してくれ!

なるべくウィキ開きながら上げてないこまごまとしたページも回ってまとめているけど、文献じゃなくてネットonlyでまとめ上げてるので信憑性も説得力もないよ!

 

 

って言うのだけまず注意に置いときますね。いやぁ、「文献漁りてぇ~~~~」って何度思ったか……まあ、手軽に調べられるのがネットの良い所ではあるんですけれども。おかげで会社の暇つぶしにこんなの書いてるわけだし

元々こういうのは嫌いじゃないので久々にやって楽しくなりました。またやろ。

 

刀ステ引き摺ってるからこんなの調べてきたわけなので刀ステの話になるんですけど、古今伝授が歌仙をあおるような発言が多かった、というか「あなたは歌わないんですか」としきりに言ってた理由がちょっと垣間見えた気がしました。

多分こんなん前回の時にちゃんと調べとけ、っていうか歌仙推しの人、刀剣や歴史ガチ勢には今更~って感じなのかもしれないですけど、「父ちゃん凄すぎてそんなそんな……」って感じで歌をそう詠まない忠興……

いやね、ステでも原作(ゲーム)でも文系名刀として雅を愛し「歌をしたためたくなった」みたいな話もあったので、詠むのが大好き!もっともっと作るぞ!みたいな意欲的なタイプだと思っていたんですよ。忠興も、その刀である歌仙も。

だからこの話題がちょっと意外で、だからこそ古今伝授より歌を詠まないのに納得する……

古今伝授のほうが佇まいや使う言葉に品があり、造詣が深いのかな?

ってイメージがこの話のお陰で納得がいったというか。 すげえな、こんなとこまで勉強して反映させた結果だとしたらほんと恐ろしいジャンルじゃん刀剣乱舞……

 

まああと最後の歌仙兼定の紹介文ね!

つらつらっと書いてあるけどきっと講談師とか落語家とか、噺のプロに語らせたら耳触りが良さそうな纏め方だと思う。テンポが良い。「身長二尺余の~」って所から喋ってほしいよ、録音するから。

本のタイトルが「名宝物語」なのでね。賛美を連ねるのはきっとお手の物なんでしょうよ。他のページは絵とかでさらっとしか目を通してないんですけど、きっとそっちも綺麗な言葉が並んでいるんでしょう。

 

そういえばこの2輯の一番最初の項が「一期一振」だったので、そっちも読もうと思います。でも先に長義のがないか見たいな。伯仲知りたい。都合よく存在しているかどうかは知らんけど。

 

まあそんな感じで、この関兼定の回は終わりにします。

(私はどうでもいいところで引っ掛かるタイプなので「関兼定って何?!」ってところで時間を取られました。序盤じゃんねww)

読んで頂きありがとうございました!

前知識なしに見た科白劇・刀剣乱舞 ②内容編(4/ラスト)

はい、なかなか終わらんですね。纏める能力ないんかおんどれは。

 

ってことで前回切った歌仙ちゃんの詠んだ句から。

ここが前知識のない私の残念だった所なんですが、あの「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」というのは細川ガラシャの辞世の句だそうで。

訳としては「人も花も散り時を心得てこそ美しい、潔い」みたいな感じですかね。流石武家に生まれた女であって武人の妻って感じ。戦乱の世じゃないとこんな句は出てこないですね。

ちなみに私の最愛の歴史上の人物は土方歳三なんですけど、彼の辞世の句は「たとい身は蝦夷の島根に 朽ちるとも 魂(こん)は東の 君や守らん」ですね。蝦夷(=現在の北海道)で仲間を助けるために向かい、銃弾に倒れた男の最後の句……てか今気づいたけど私は之定好きだな……????

よくよく戦闘場面を振り返るとガラシャが台詞で「花は散り時をわきまえているから美しい!」って言ってたりするんですよ。それに最初ガラシャが登場した時の一面の桔梗の花もただ明智の花というだけじゃなくてここにかかってくるのかな~と。あと地蔵の「蛇ではなく花です」という台詞ね。うう~~~~~上手い~~~~~~~!!!!

 

それから順番すっ飛ばしたなって気付いた箇所があるんですけど、歌仙がガラシャの血を自分の着物で拭うシーン。

私このシーンの後と思ってたけど絶対それより前に見てないと「なるほどね……!」って思った私の感想と合わないのでどっかに入ってるんだと思う。

 

歌仙が語りで玉と忠興が出会ってからの話をしてくれる場面があるんですよ。

玉と忠興、共に十六歳の頃に出会い、結婚。子供が生まれ、ソワソワとした様子で偶に声をかける忠興。「子供は、どっちに似ておるかの?」

歌仙「子供は玉様にそっくり。忠興様にはよくよく見れば似ているかもしれないねぇ」

玉「私と貴方、どちらにもそっくりですよ。明智と細川の血を引くこの子はきっと立派な跡継ぎになります。私がしっかり家を守りますから、あなたは存分に戦ってきてくださいまし!」

肝っ玉母ちゃんって言うかほんとに武士の妻としてできた女すぎてもう……!

ただ幸せも長く続かない。本能寺の変明智光秀が謀反を起こし、明智の血を引く玉と縁を切るように言われ、忠興は玉を三戸野(=京都府京丹後市弥栄町)に幽閉した。このころ離縁と言えば完全に手を切るにもかかわらず忠興が玉を幽閉したのは、彼女を手放したくないほど愛していたからじゃないか。

放り出してくれればいいのに幽閉され、自由を奪われた玉はそのことには気付かず、少しの従者と共に不自由を味わっていた中で縋ったのが「キリスト教」だった。

歌仙「きっと彼女は救ってくれるなら何でもよかったんだと思う」

ここで完全に玉の顔つきが変わる。秀吉のとりなしもあって忠興の元に戻されたときには笑顔や可愛らしさは一切ない。そんな玉を忠興は「冷たい女」だとなじる。

忠興「お前は蛇みたいな女だ!」

玉「鬼の妻には蛇がお似合いでしょう?」

このころ忠興の過激なエピソードがあり、庭師の男を「玉と目が合った」という理由で玉の目の前でめった刺しにした。それを見ても玉は顔色一つ変えず「庭を見ていただけです」というので、刀についた血を玉の着物で拭った

歌仙「細川忠興は雅を愛する心もあれば、暴君的な一面もある。でもそのどれもが彼で、僕……」

この最後の『血を着物で拭った』って言う描写があった後に歌仙ちゃんの自分の着物で血を拭うシーンで、しんどみに溢れるんですよ……!

そしてこのシーンの間で二人のことを細かく語ろうとして「それはここではやめておこう」(別の機会に)みたいな言い方をしていたので、綺伝で描く予定だったところなんだろうなって思ってます。綺伝早く見たい。

 

ガラシャのことが片付いたので歌仙一行は本丸に戻らなくてはならないんですが、そこで古今伝授と地蔵に「本丸で必ず会おう」って言ってるのもまた狡い。

そういえば地蔵の所で書き忘れてたんですけど(また)、最後の場面の直前、ガラシャから攻撃されて倒れるんでした。「姉弟の縁を切った。そなたは『いんへるの』へ落ちるべきではない。まだ戻れる。自分を捉えている自分自身を許せ」というような形で、地蔵が刀剣男子として元の道に戻れるよう諭すわけです。

(余談ですが私がずっと『いんへるの』『はらいそ』とひらがなで書くのは芥川龍之介がそうやって書いてたからです。それが染みついてしまって、カタカナだと座りが悪かった……『おぎん』とかおススメです)

 

とまあこんなで内番姿の六人の所に戻ってきて、「僕たちの出陣と結構違うようですね」と話が入る。このあたりちゃんと聞きたくてもだもだする。

長義「その資料、少しの間貸してくれないか? 地下の書庫に行って似たような事例がないか調べてみよう」

そう言われたから歌仙が手渡そうとすると講談師に「ソーシャルディスタンス!」って言われる二人。「スポットライトの中に入って!」どうやって渡そうか考えた末に歌仙が長義に本を投げてよこしたの、最初ちょっと解釈違い~~~って思ってたんですけど(文系名刀だというなら本を粗末にはしないはず、という頭から)、でもよくよく考えれば之定なわけで、面倒くさいこと、自分の意に介さないことが起こると「ふんっ!」って拗ねて投げやりになるのもありなんですよね。つまり歌仙は可愛い。

この後長義に呼び止められて「歌仙の率いる第三部隊は戦いやすいよ。それで、今後について聞きたいことがあるんだけど」って言われたときに「僕はこれから遠征だから、帰ってきたら遅くなると思うけれど、それでもよければ」って答えたところ、一瞬ブラックだな……って思ってごめんよ。あとそこ第三部隊なんだね。

 

で、ここでみんなが捌けていった後に内容①でも記した最後のセリフが来る。

『またの機会にね』

二時間半ノンストップで科白劇だってこと忘れるぐらいのボリュームのもの観させられて、初期刀に窘めるように怒られ(コロナの調査をしろって言ったのは主だよ?って言う内容をね)、『絶対話すから待ってて欲しい』って言われたらそりゃもう待ちますよ!!

楽しかったです!!!!

ありがとうございました!!!!!!!

 

 

内容の思い出しはこれで終わりなんですけど、このタイミングで思い出した長義くんの話していいですか?

序盤の亀甲と二人で調査に出向き、純忠と晴信に「ガラシャ様を返せ!」って突っかかられたときに、晴信の横っ面を急に叩くんですよ。

長義「右の頬を殴られたら?」

晴信「へっ……?」

長義「右の頬を殴られたら?」

晴信「『左、の頬を差し出す』……?」

(容赦ない打撃)

長義「君たちの篤い信仰心に敬意を表するよ」

(丁寧な所作でお辞儀)

……って言うのが最高に長義で危うく「好き~~~~~~~~~~!!!!!!!」って叫びだすところだった……ぐう……きっといい笑顔してたんだろうな……好き……

 

あと見た回、ガラシャと地蔵が対峙して会話している所で黒い何かが舞台に落ちて、なんかの拍子でガラシャの衣装に引っかかってガラシャの移動と同時に引きずられているのが気になったんですけど、捌けるタイミングで地蔵が暗転の中さっと拾って回収していったのが舞台!って感じでよかったです。何なのかはいまだに分かってない。リストバンドみたいな大きさに見えたけどなんだろ……。

 

落とすで言うと歌仙と古今伝授が右近かな?と戦うって時に古今伝授が提灯を敵の足元に落としてしまって、何でもないフリで戦ってたんだけど、一度間合いを取り直すって距離を取るときに移動しながら拾ったのがこれまた舞台!って感じだった。

 

一つ思い出すと芋づる式にずるずるっと際限なく書きそうなんですが、内容編はここまでにします。

歴史的な所纏めたい!とか言ってて結局舞台の内容書き連ねるのに使ってしまったので、どっかのタイミングを見てガラシャとか忠興とか、初心に帰って歌仙兼定とか調べようかなと思います!

 

それでは!

お付き合い下さりありがとうございました!

前知識なしに見た科白劇・刀剣乱舞 ②内容編(3)

さ、宣言通り覚えてるシーンだけ書きますよ。

もう話も終盤まで飛びます。たぶん。時計ないからどこが後半だかぶっちゃけよく分かってないです。

 

行動を共にする地蔵にガラシャが「私は蛇のような女だから」と告げる場面がある。

地蔵「そうは思いません」

ガラシャ「ではなんだというのだ」

地蔵「……花」

ガラシャ「花……? 私が、花だというのか」

地蔵「細川忠興の刀であった吾(ごめんどっかで一人称間違えて書いてる…直します)には分かる。あの男も姉上をそう思っていた」

ガラシャ「そんなはずない、私はあの男の妻だった! だからわかる、あの男が私を『蛇のような女』だと呼んだのだ」

地蔵「それでも姉上は花です。あの人はずっとあなたの事を愛おしく思っていた」

 

この後時間遡行軍に襲われるかして地蔵が盾になり、「姉様逃げて!」と先に逃がす。城下を逃げていくガラシャはそこで偶然忠興と再会。

ガラシャ「どうしてあなたが……ここに…」

多分ここのガラシャは自分が思っていた忠興と聞かされた忠興の差に当惑し、期待し、それと同時に不安を持っていたのかな~~~って演技が最高でした。

ここで口喧嘩が始まり、ガラシャが「貴方が殺せばいい! 貴方に殺されるなら本望です!」と忠興に背中を向け、膝をつく。刀を振りかぶった忠興だが、散々葛藤した末、結局それを振り下ろすことは出来ない。

忠興「俺はおまえが憎くて……憎くて憎くて憎くて、愛おしい……!」

本心が聞けてハッとするのも束の間、右近がその場を発見し、忠興がガラシャに切りかかろうとしていると思って後ろから切り倒す。

右近「俺は二人が仲良く過ごしているのを見ていたかった、好きだった! 本能寺がなければ、玉様と忠興はずっと幸せに生きていられたのに!」

お前自己解釈と不一致のオタクかよ~~~~~~最悪なタイミングで入ってきやがって!!!!!!!忠×玉厨なのは分かったからお前ちょっと黙っとけ~~~~~~~!!!!!!!!

心が通じ合ったような瞬間地面に転がる忠興。ガラシャは急に声を上げて笑い出す。

ガラシャ「私も貴方が憎い……憎くて憎くて愛おしい……私はやはり花なんかではない……鬼の妻には蛇が似合いでしょう?」

よろけるようにスクリーン前まで行くと強い光がカッとガラシャの身体を包み込む。遅れて追いついた地蔵は「姉上!」と叫んで駆け寄ると、ガラシャは白い布に身体が包まれ、目深に布を被る。その姿は序盤で歌仙たちが熊本城下に辿り着いた時町中を歩いていたキリシタンたちと同じような装いだった。

天国が「はらいそ」なら地獄は「いんへるの」って答えたのこの場面かどうか覚えてないんですけど、地蔵が「あねさまと一緒ならどこまでも行きます!」と宣言した時にガラシャが「では共に行こう、いんへるのへと!」と低めた声で言い放ったのが超格好よかった……最高……ガラシャ様ついていきます……ってなった瞬間。強い女最高。

 

この後熊本城内に入ってからか白い布を脱ぎ捨てるシーンがあるんですが、出てきた瞬間「オスカルだ……」って思ったのは私だけじゃないはず。

黒かった髪が白銀のくせ毛になっていて、また蛇のような文様が服に入っているというが遠目に見ても確実に宝塚だった。間違ってない。合ってるけど違う。しかも直感的に「オスカル」って思っただけなんですが、あとでパンフ観たらマジモンで笑った。

脚が異様に長い。全身白なのに細い。低い声が良く通る。マスクで声が聞き取りづらいと最初に書きましたが、実はガラシャの声だけはわりと聞き取れてました。絶対発声から何から違うんだろうな……めちゃくちゃ聞きやすかった。

城内を目指して向かう途中、また時間遡行軍に襲われる場面があり、「姉様、さがっていてください!」という地蔵に対し「その必要はない」と言って宙を飛んできたのが槍。しかもごてごて装飾の西洋風。いよいよ王子様感強すぎて一瞬何見ているのか分からなくなった。

 

ガラシャと地蔵が敵を殺しながら進んでいる中、歌仙たちも城内に時間遡行軍が集まっているのに気付き叩きに向かう。

「いつも出向いてもらってばかりだから、たまにはこちらから行くのもいいだろう」ってちょぎのセリフだったと思うんだけど、慈伝でレベル1を見ているわけだから感慨深すぎて泣いた。

本丸御殿に向かうには『闇り(くらがり)通路』を行くしかないという古今伝授の太刀の言葉に通路の前に立った七人だが、たいまつが上の方で揺れているだけで本当に真っ暗。「これじゃあ歩けないよ」と話していると古今伝授が手持ち提灯を見つける。人数分あることも分かり、それぞれ手に持った七人。

歌仙「はぐれないように気をつけて進もう」

……言った矢先に一人になる歌仙。(うん?って顔最高に可愛かった気がする。遠かったから雰囲気だけど)

歌仙「まったくうちの本丸は協調性がない……」

とか何とか話しながらここからうろ覚え。闇り通路を進んでいくとガラシャ同様白い装束に身を包んだ純忠とか孝高とかが出てくるんだけど「ここは俺たちが食い止める!」って展開なはずなんですよ。ってことはどっかしらで合流してるんだけど、どこでどう合流してんのかが覚えてない。

 

孝高の相手は長義で、孝高が「時空を超える者が現れ、刀剣男子たちが挑むたびに世界に歪が出来る。その歪によって私は様々な世界戦の自分を知っている。もちろん、黒田官兵衛の記憶も。そうだ……君とよく似た男とも対峙したことがあるよ(ジョ伝 三つら星刀語り)」という話をすると「そうか、ならばよく覚えておけ、俺こそが本歌、山姥切長義だ!」って切りかかったの本当にいい……梅津くん殺陣めっちゃうま……一年前と全然違うじゃないですか、これを最高と言わずに何を最高というんだ……!!!!

孝高の『記憶あるよ』話はここよりも前のシーン、宗麟と二人で話す場面でちゃんと描かれてます。私が省いたって言うか書いてる間に思い出した。

そしてその宗麟の衣装、身丈ぴったりとかで作られてるのか下にする場面も多くて裾踏んだりしないのかなって心配してました。おじさんが走るシーンにスカートみたいな裾持って走るのちょっと面白かったって言うか、あれはあれで性癖に刺さりそうって言うか(黙ろうか)。

 

そんなこんなでなぎ倒し、次が昭君之間という所まできた歌仙と古今伝授は時間遡行軍に苦戦しているガラシャと地蔵を発見し、助太刀に入る。

やっとまみえることの出来た歌仙の口から「玉様……」って呟かれるの、前知識なしに見てもしんどすぎた。

一応話の流れで忠興の奥さんでどうたら~はちゃんと掴んでいるのでそこは知識なくても安心して見れる。でもきっと知ってた方が頭から何倍も楽しく見れると思う。まあ、見に行く大半が刀剣乱舞を知って見に行ってるから後者だろうけどね。

傷付き倒れた地蔵を古今伝授に任せ、昭君之間に移動したガラシャを追って移動する歌仙。

改変の諸悪はガラシャだと分かっているので刀剣男子の『本能』としてガラシャを倒さなければならない。けれど自分の中に居る元の主・細川忠興が憎んで憎んで憎んで愛した女・玉を手にかけるのが躊躇われる。

そんな葛藤の中で深く腰を落とし、ゆっくりと刀を握りなおす歌仙の雄みがやばかった。

ご存知の通り私は映像で虚伝、現場で慈伝しか見ていないので慈伝の東京再演で初めて歌仙をステで見たんですよ。ゲームでも初期刀として選んだものの太郎太刀やら他の刀に目移りし、最終的に伯仲に落ちた女なので全然ノーマーク。かといってまんばの荒牧くんも防衛部から存じ上げてますが一番ってわけじゃなくて、やっぱり長義の梅津君の存在が慈伝は大きかった。彼が居たから観に行きたい!って思ったんだもんな。でもその時舞台上手で観覧していた私の正面には歌仙の和田琢磨さん。きっとこれが「貴方の初期刀をちゃんと観なさいよ」って天啓だったんだろうな……。雅、雅の文系刀でありながら滲み出るゴリラ感……『文系と言えど、之定だからね!』のセリフがこんなにもよく似合う……最高……うちの初期刀めちゃくちゃ最高じゃん……

その初期刀が元主の、愛と言い切るには難しすぎる女を目の前にして、今の主のために、刀剣男子として生を得た者として刀を振るう……この演技がもうマジでやばい。語彙力なんてなくなるわあんなの。直に見てくれ、頼む。

 

結果的にガラシャを倒すんですけど、昭君之間に飛び込んできたときの地蔵の悲鳴、息を呑む古今伝授、着物の袖で刀の血を拭いながら歌仙が震える声を押さえて読む一句。

「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」

そして続けて古今伝授に一言「僕は歌を詠まないんじゃない、詠むべき時を選びたいだけさ……」

 

この言葉の重みですよ……!!!!!

今回何が言いたいかってここが一番のいい所だからこれを聞いて欲しかった!!!

でもちょっと待って、普通に3000字超えてたので細かいところ次に回します!!!!!

前知識なしに見た科白劇・刀剣乱舞 ②内容編(2)

引き続き『承』部分から。

逆に言えば大雑把に流れ覚えてるだけ記憶力いいんじゃないかって、一周回って思えて来たよね。謎の自信。

 

城下の外れにある寺に逃げてきた地蔵とガラシャ神の国から逃げ出す算段をしている。

地蔵「城下にも追手が配備されているはず。関所も僕一人ならどうにかなるけれど、そなたも一緒となると……」

ガラシャ「ならば私を置いていきなさい」

地蔵「それは、出来ない。そなたはここから出るべきだ」

ガラシャ「どうして?あなたは私を殺しに来たはず。さあ、私を殺しなさい」

地蔵「それも、出来ない。そなたを殺すことは……僕には……」

ガラシャ「……あなたは弟のようですね。逃げる事に協力してもいいですが『そなた』と呼ぶのは止めて『姉上』と呼んでください。弟たちは私をそう呼びます」

地蔵「………あね、うえ……っ、一緒に、逃げて下さい!」

(ここの地蔵の葛藤がまじでまじでまじで可愛かった……!あと立ち方がずっとバレエの足で、さすが星元裕月……っ!って感じでした。私の裕月くんはあんステの桃李くんから。)

 

そのころ、青江、歌仙組の前に古今伝授の太刀が姿を見せる。

歌仙「やはり呼んだのは君だったんだね、古今伝授の太刀」

青江「知ってる刀かい」

古今「私の元の主は幽斎(細川幽斎。忠興の父)です」

青江「なるほど、忠興とは親子の関係だね」

古今「あなたは歌を詠まないんですか、歌仙」

そこに出てくる時間遡行軍。

古今「私が本隊と合流するのを狙っていたようですね……!」

戦闘し、華麗に勝利を収める歌仙一行。

古今「歌より武力に秀でているみたいですね」

(ここの古今と歌仙の嫌味の言い合いが最&高だったんですけど、例によって覚えてません。悔しい。)

古今「地蔵がガラシャと一緒に逃げてしまいました。一緒に探して欲しいのです」

歌仙「ガラシャ……玉様が、生きている……? しかし、刀剣男子が一緒に逃げているのは感心しない。歴史を守るはずの刀剣男子が改変の援助をしているとは……古今伝授の太刀は地蔵行平がまだ取り返せると思っているのかい?」

古今「ええ」

 

歌仙たちが捌けると長義、亀甲が純忠、晴信に連れられて宗麟と孝高の前に連れてこられる。

宗麟「よくきた刀剣男子たちよ。私はそなたたちへ危害を加えるつもりはない。そこにかけてくれ。話し合おうじゃないか」

長義「かけてくれって、椅子など無いじゃないか」

きょろきょろしているとコロコロ付きの椅子が袖からシャーッと流れてくる。(ここ笑いが起きてたね……私もびっくりしたww)

宗麟「さあ、かけてくれ!」

下手から亀甲、長義、宗麟、孝高、純忠。上手の段上に晴信が見張り宜しく立ってる。ずっと一人で立ってるから途中からそっちが気になってしまったのは私の独り言。

あと亀甲と長義が背筋をピンっと伸ばした座り方なの最高だった。ちょぎ足組んでるのほんといい。えっち。遠目で見ると太ももの防具の皮部分がテラッとしてて良すぎるんだよな~~~~~~でも私は梅津君の顔が大好きなので近くで見たかった……何から何まで満点だよちょぎ……

宗麟「客人たちに酒を!」

長義「悪いが、酒は飲めないんだ」

(……待って??今「飲めない」って言ったな????「飲まない」じゃなくて「飲めない」?????はーーーーーー好きーーーーーーーーーーーーって天を仰いだのは私だけじゃないはず)

長義「まず初めに、俺たちは細川ガラシャの事など知らん」

純忠「なっ、騙したのか?!」

孝高「だろうな。報告してきた二人とは明らかに違う」

長義「話が分かるな。黒田孝高……なるほど、黒田官兵衛か」

孝高「ここでは孝高だ」

長義「そんなものはどうでもいい。俺たちの目的は細川ガラシャを殺して正しい歴史に戻すことだけだ」

「どうして正しい歴史に戻すことに執着する? 今ここにあるのも歴史だというのに!」

長義「それが刀剣男子の『本能』だからだ。ここは改変され、行き先もなく閉じた世界……そんなものは歴史とは言わない。以上だ。ここを出たら貴様たちとは敵同士だ」

出ていく亀甲と長義に憤慨する純忠と晴信は宗麟の許可を得て、時間を超える者たち(時間遡行軍)に応援を仰ぎ、刀剣男子討伐ののろしをあげる事にする。

 

ここから話抜けてるな……

獅子王たちが追いかけ回していた忠興を歌仙が見て「やっぱりあれが細川忠興……あんなの、雅じゃない……!」って言ってるはず……

 

夜、一人佇む歌仙の元に寄ってくる青江と篭手切江。

青江「宿の方が湯を沸かしてくれたそうだよ」

歌仙「なんだい、僕を心配してきたのかい?」

篭手切江「いえ、その……」

青江「そうだよ、心配して来たんだ。史実では往生したはずの細川忠興があんな姿になっているのを見て、落ち込んでるんじゃないかってね」

歌仙「ふ……大丈夫さ。あれくらいの事はいくらでもある。いちいち気に病んでいても仕方ないからね。そういえば、他の皆は?」

篭手切江「長義さんは夜の町を見回って来ると、古今伝授の太刀さんと一緒に」

歌仙「それはまた……珍しい組み合わせだね」

青江「そういえば獅子王と亀甲の姿も見えないねぇ。自由なことだ。さて、僕は一足先にひとっ風呂浴びて来よう……しっぽりとね。待ってるよ。ああ、そういえばさっき『心配している』と言ったけれど、あれは嘘だよ」

捌ける青江にぽつりと篭手切江が溢す。

「……しっぽり、ってお風呂の形容詞じゃないと思うんですけど……」

(全体的に青江と亀甲が今回のオチ枠っていうか癒し枠だった気がする~~~~~可愛いがすぎる~~~~~~~~~~)

歌仙「篭手切江、君は歌の教養があると聞いている。君なら今の気持ちをどう詠むんだい?」

篭手切江「あの、何か勘違いされているようですが、私の歌というのはもっと、踊ったりする現代的なやつです!!」

(きれっきれのU.S.A.を見せてくれる篭手切江にちょっと引いた顔の歌仙)

歌仙「そ、そうか……僕の歌は、伝統的な、方だからね……?」

篭手切江「いつか憧れのステージへと立ってみせます!」

走って去っていく篭手切江を見送って首を傾げる歌仙。

「すて、えじ……???」(ここの確実にひらがなの発音愛おしすぎて心の中で『初期刀~~~~~!!!!!』って全私がスタンディングオベーションした。は???天才じゃない?????初期刀可愛すぎんか???????)

肩を竦めて下手に捌ける歌仙。

 

所かわって上手から長義が出てくる。次いで古今。

古今「見回りを口実に、私に何の用でしょう?」

長義「地蔵行平が刀剣男子の『本能』に逆らって逃げているらしいな」

(ここもうろ覚えだ)

とにかく古今とちょぎが喋ってるところに亀甲と獅子王がやってくる。

亀甲「こんな所におふたりで何してるんですか?」

なんやかんや喋ったあと

長義「宿に戻るぞ。作戦会議をする!」

バタバタと捌けていく中ぽつんと取り残された亀甲が「放置プレイですか? ……ゾクゾクしますね♡」って笑って去っていったのだけめっちゃ記憶にある。しかもこのセリフ本日2回目では???何度放置プレイされて喜んでるんだ君は(好きです)

 

ここに来て観てからいつの間にか3日も経ってました。(↑は翌日に書いてる)

3日も思い出しにかかってるんだから思い出せてると思うじゃん???逆に忘れてるんですよ、もう一回観てぇ~~~~~~~~~当日券とれないかな……

ってことで(?)話の流れ忘れまくってるので、順当に来てたのはここまでにして、次からぼろっぼろの本当に覚えてるとこだけ書きます。

(次にするのは大体3000字を目安に書いてるからだよ!!)