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【推理】アザゼル~緋の罪業~はどんな中身になるのか

発売まで丁度二週間に迫る11月20日、欧州妖異譚最終巻となる『アザゼル~緋の罪業~』がどんな締めくくられ方をするのか考察していきたいと思う。

 

……なーんて大層な感じに話しはじめましたが、終わることを恐れているいちファンとしては冷静に考えてはいられませんね!

特に書泉のSSのタイトルが「主のいない部屋」ですからね。ほんとやめて。

 

文庫とAmazonの特典は「グラース」なので舞台はフランス・グラースなんだろうなって予想は立ててます。南仏にある香水の街……でいいのかな?

表紙もシモンなのでまあシモンとユウリでなんかあるんでしょう。

 

『主のいない部屋』……グラースで起きた事件で主を失った部屋で、そこにとりついていた精霊が喋るとか、ユウリが主の霊と話すとかなら全然いいんですけど。

 

本編内の最後にユウリが月に還り、また失った世界で居ないユウリを案じて……みたいな話になったらと思うと本当に心臓が痛い……なんせハムステッドにはアンリがいるんでね。ユウリがいなくなった後もフォーダム伯爵の好意で卒業までいさせてもらえることになったけど、何度覗いてもユウリがいなくて……みたいなのだったら泣く(お前もうそれで話書けよ……)

 

てな感じで本編の舞台は大体の方が想像する通りぼやぼや~っと考えております。

あとは24巻のあとがきにあった「1巻と15巻を復習しておいて」(この辺すごいうろ覚えで喋ってます、違ってたらごめん)を信じてとりあえず欧州1巻を読み始めました。

 

1巻のタイトルって「アザゼルの刻印」だったんですね。そういえば。

英国は全部言えるんだけど、欧州はタイトルも巻数も怪しくて、全然言えないんですよ。そんな欧州も10年って聞いて震えあがったのはまた別の話。

 

 

 

1巻の内容はミリアムの描いた梯子を助けにユウリが月から還ってくる、アザゼルの呪いがミリアムにかかる……でいいのかな。何度か読んでるはずなのに要領得なくてすまん……あとでちゃんと訂正しときます。

 

タイトルにあるから『アザゼル』がまた関係するんだろう事は確実なんだけど、そもそも『罪業』って何ってことでブリタニカ~~~~~~~

 仏教用語身体言葉 () の3つ (→三業 ) によってつくられて,未来の苦しみを受ける原因となるような悪い行為とは行為のことである。

 

 また3……3って数字で思いつかなきゃならないのは多分予習しておくべきと上げられた「万華鏡位相」なんでしょう。(私この3と15と50の謎全然解けなかったんですけど、きっと私の回りの皆さんは頭が良いので解けたんでしょうね……ほんと『読んでるだけ』だな私)

 

思えば「ユウリ・シモン・アシュレイ」で3だし、これも「月・太陽・地球」に置き換えることが出来るって言ってたし、そして何より1巻で出てきてその先何度かお目見えする『グナ』ですよ。赤白黒の紐で出来た真珠の散りばめられた腕輪。

今回これをメインにちょっと調べたので考察ついでに置いて行こうと思います。

 

近くに図書館が無い・図書館の蔵書があまり宜しくない地域にいる私にとって、調べ物はもっぱらネットに頼るしかありません。

ネットは間違った知識もあるし検索エンジンとの兼ね合いもあるので参考程度に見て行って下さい。いい文献を見つけた人は教えて下さい、どうにか取り寄せをお願いしたりしてみます。

 

まず『グナ』で辿り着いたのはインド哲学でした。

 インド哲学では、逃れられないこのような物質自然の法則を「グナ」(紐という意味)と表現する。業という意味では「カルマ」という言葉が有名だが、今現実に現れているもの(病気など)を「プラブタ=カルマ」と呼び、将来現れるものを「アプラブダ=カルマ」と呼んだりする。罪という意味では「クータ」である。

インド哲学を学ぶ : 幻影旅譚

 

グナがなんなのかそもそも分かってなかったのでここで『紐』って名称が出て来た時に「なるほどね!」と思ってしまいました。その他グナの中身を表現する際に『糸を拠り合わせて紐にするように』という表現もあったりして興味深かったです。

 

そして逃れられない物質自然の法則、これは月の女神からも言われていましたが『知るべき知恵、運命ともいうべき知恵が腕輪にはある』……言い換えれば逃れられない運命がユウリにはあり、腕輪がそれを常に知らしめるという事の解釈で宜しいのでしょうかね。

 

この腕輪に関しては『アザゼルの刻印』P167-168の「知るべき知恵は簡単には得られない」というユウリの台詞に対し、アシュレイが「言い換えるとお前が抱えた秘密は時間をかけてゆっくりと暴けって事だな」と応えるシーンがあり、三月ウサギやらなんやらで『腕輪は発信機の役割をしている・腕輪をしている人(=月の王)を守る』とかがだいぶ明るみになってきている気がするのでアシュレイが知るべき知恵を得るのが最終巻なのではなかろうかと。

(でもそうすると暴かれてしまったからにはユウリを地上には置いておけないとお迎えが来てしまう気がするんだけど、ほんとに、心臓に悪いから、止めてくれ)

 

ついでにロンドンのセント・パンクラス駅からパリ北駅(ガール・デュ・ノール)までってどのぐらいなのかなって調べたら2時間半ありました。2時間半アシュレイと2人……????

ユウリは飛行機でもエコノミークラスだしすぐに「電車で帰る」って言うからいいんですよ。アシュレイが電車で2時間半??????

ちょっと脳みそがプチ混乱を起こしました。

 

脱線しまくりですね。

戻すとインド哲学です。グナはインド哲学に見られる言葉。

じゃあインド哲学って何か、最初に見たのがこちらだったのでこちらのサイトの物質要素を使ってお話させて頂きます。

物質要素(プラクルティ)~バガヴァドギーター(7-4) | ヴェーダプラカーシャ・トウドウ (Vedaprakasha Todo) 公式ブログ

 

純粋な精神(真我)であるプルシャ(精神原理)に対して、
人の精神(チッタ)や肉体は、プラクルティ(物質原理、要素)と呼ばれます。

純粋な精神(真我)である ⇔ 人の精神(チッタ)肉体(シャリーラ)

 プルシャ(精神原理)       ラクルティ(物質原理)

 

精神(チッタ)は、心(マナス)、知性(ブッディ)、
そして自我意識(アハンカーラ)から成ります。

精神(チッタ)= 心(マナス)・知性(ブッディ)・自我意識(アハンカーラ)

 

肉体(シャリーラ)は、行為器官、知覚器官、
肉体組織(ダートゥ)などから成ります。

 肉体(シャリーラ) = 行為器官・知覚器官・肉体組織(ダートゥ)

 

 肉体組織は、ヴァータ、ピッタ、カパから成ります。
またそれらは、五大元素(土、水、火、風、虚空)から成ります。

 肉体組織(ダートゥ) = ヴァータピッタカパ

  ヴァータ:風、虚空[または『空』]

       風気質。動かすエネルギー。へそ下から肛門上までの部分。

  ピッタ:火、(水)

      火気質。変換エネルギー。胸下からへそ上までの部分。

  カパ:水、土[または地]

     水気質。組立エネルギー。胸から上。

 

 精神も五大元素もまた、サットヴァ、ラジャス、タマス、
という三つのグナ(根本的なエネルギー)から成ります。

 サットヴァ:知識・幸福

      愛、献身、喜び、清浄、公正、上品、知性など

ラジャス:行動

     欲望、痛み、横柄、話好き、自尊心、怒り、競争心など

タマス:慣性

    混乱、無知、不安、眠り、怠惰など

 

またヴァータラジャスピッタサットヴァラジャスカパタマスの性質を持つ。この辺に関しては下記のサイトを参考にしています。

www.timeless-edition.com

 

妖異譚ファンなら五大元素の所でそわっとできるんじゃないでしょうか。

あれです。ユウリがいつも呼んでる四大元素

火の妖精(サラマンドラ)、

水の妖精(ウィンディーネ)、

風の妖精(シルフィード)、

土の妖精(コボルト)。

インド哲学の言葉を借りるなら空気は自らの事、つまりユウリを入れると五大要素が成り立つんですよね。

 

もし仮に月の女神マヤがくれたグナの三色の紐がサットヴァ(知識・幸福)、ラジャス(行動)、タマス(慣性)を表しているなら、私はこの三つがすさまじく人間らしい欲望だなと思うので、人間の身でありながら月の王になったユウリ自身の事を示しているような気がします。

 

そして『=五大要素』なので四大元素を操れる者。

 

散りばめられた真珠の数って三つだった気がするんだけど、これはどこで見たんだったかな……。仮に三つだった場合、真珠がそれぞれ『月・太陽・地球』を示しており、真珠がユウリを示すものであること(『背信の罪深きアリア』参照)。

 

……となるとやっぱりグナは月の王(=ユウリ・フォーダム)に嵌められるべくして嵌められた物であり、これが『運命ともいえるべき知恵』なのかはわからないけれど解き明かされた時……………やっぱりこれ還っちゃわない?????

聞く感じ何となくかぐや姫だよねこれ????

「私は月に還らなければなりません」ですよ、っか~~~~~~待ってくれ無理だ。

 

発売まであと二週間。

本当に気が気じゃありません。

皆さん、生きて会いましょう。

(そしてやっぱり巻ごとに纏めを作ろうと決意する冬)